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学術講演

『行動からみる高次脳機能障害 評価とアプローチの工夫』 森田 秋子 (鵜飼リハビリテーション病院)

 

 言語聴覚士の専門性が「コミュニケーション」と「食事」という、極めて重要な2つのADLにあることは、社会の認知を得始めている。言語聴覚士はこの2つのADLの機能と生活に関わり、ミクロからマクロへの広がりを持つ。

 少子高齢社会を迎え、地域の言語聴覚士への要請は拡大している。そこで求められるのは、専門的評価とアプローチに加え、チームに参加する多職種へわかりやすく情報発信することである。言語聴覚士にしかわからない言葉ではなく、専門知識がないスタッフや家族に対しても、患者に生じている症状の意味や、どう対処することがより良い結果を導けるのか、具体的で説得力のある提言をしていく力である。そのために、言語聴覚士に必要なものは何であろうか。

 1つには、患者の全体像をとらえる力である。言語聴覚士の専門領域ではない運動機能や他のADLを含め、その人が生きてきた人生や生きている地域の状況等を取り込んだ包括的な姿を描けることが、一層強く求められる時代になった。

 もう1つは、全般的認知機能をとらえる力である。言語聴覚士は養成校で高次脳機能障害について周到に教育を受けるが、その多くは個別的認知機能に関するものである。個別障害はもちろん重要である。しかし、より一層生活に強い影響を与えるのは、感情、思考、判断などの力である。個別症状のすぐ後ろにある見えにくく、評価しにくいもの。それが全般的認知機能である。

 認知関連行動アセスメント(CBA)は、行動観察から全般的認知機能を評価する評価表である。評価するのは、意識、感情、注意、記憶、判断、病識、の6領域である。「行動をみる」ことに言語聴覚士は慣れていないが、実はもっともわかりやすい行動である「会話」のプロである言語聴覚士に、CBAはとても適している評価である。CBAを手にすることで、言語聴覚士がもっと強く、そして多くのニーズに応えられる「役に立つ」職種として、さらに発展できると考えている。

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