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シンポジウム「つなげるための私の視点」

『病院で働くSTとして「連携」を考える』  宮本 光江 (大阪警察病院)

 

 病院で勤務するSTの仕事は、私が働き始めた頃とは大きく変化している。STが国家資格となり言語療法士から言語聴覚士と名称が変わった。STは失語症等のコミュニケーション障害患者を対象に、評価、訓練、支援をしてきたが、そこに嚥下障害患者が対象として加わった。当院のような急性期病院では、今や新患の8割近くが嚥下障害患者の評価・訓練依頼である。また脳損傷に起因する嚥下障害ばかりでなく、誤嚥性肺炎やがんや老嚥による嚥下障害なども増加している。以前は病棟Nr.から「言語の先生」と呼ばれていたが、今は「嚥下の先生」になった。ただ、嚥下障害患者へのアプローチはSTだけの仕事ではない。嚥下障害には多方面からの評価・アプローチが必須であり、嚥下障害患者を支えていくのは多職種スタッフとの連携に他ならない。では失語症患者へのアプローチはどうだろうか。当時、退院後は外来での継続が可能で、1人のSTが長期に渡り、マラソンの伴走者のように患者に寄り添いフォローすることができた。そこで多くを学んできた。しかし2000年に介護保険が導入され、病院には回復期病棟ができ、訓練の場所は回復期病院に移った。しかし回復期病院にも日数制限があり、失語症患者は退院すると、外来訓練可能な病院は限られるため、今度は訪問リハビリやデイサービスに移行する。このようにリハビリの場所もSTも変わる現状で、切れ目のないリハビリを提供するためにはST同士の連携が必須である。維持期、生活期の患者像を思い描けない急性期のST。逆にその患者が発症からどのように現在まで病気や失語症と向き合ってきたか―を知らない維持期、生活期のST。どちらも患者にとっては不利益になるのではないだろうか。同職種同士、もっとよりよい連携をとるにはどうすればいいのか―これを考えてみたい。

 

 

 

 

 

 

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