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シンポジウム「つなげるための私の視点」

『失語症デイサービスでの取り組み』 石原 明美 (デイサービスことばの泉)

 

 2005年11月、一STが会社を起こし翌年4月より「デイサービスことばの泉」を開業した。「脳卒中などによる失語症や構音障害など、コミュニケーションが困難になった方が安心して過ごせる環境を作ること」を目的として日々活動している通所介護事業所である。

 かつて失語症ケアは病院において長期に対応することが可能であった。入院や外来通院の中で患者会が発足し、研鑽したり思いを共有し合う中で、当事者も家族も互いを支え合いながら発症後の生活に向き合ってきた。またST自身も当事者の人生に向き合い、学び、必要なアプローチを共に考える機会を得ることができていた。

 ところが今わが国は社会保障制度の改革で、発症後の在院期間は非常に短くなり、状況が大きく変化した。「医療から介護へ」という流れの中で在宅支援の充実が求められてはいるが、その受入れ体制はかなり厳しい状況である。またそこに従事するSTも少ない。

 当事者団体である“NPO法人日本失語症協議会”は、失語症があることで失ったのは「生活そのものである」と訴えている。H27年度の調査によれば失語症者の約6割は社会参加が阻害され、約7割が他者との交流頻度が減少しているという(意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方に関する研究より)。

 「失語症デイサービス」は、言葉の問題・仲間づくり・生活そのものをサポートする形の一つとして生まれ、今全国に30ヶ所程度と言われている。その規模も形態も様々であるがいずれの事業所においても、仲間と出会うことにより、コミュニケーションを再び楽しむことができ、生き生きと活動に取り組んでいる。そこでのSTは、当事者と社会をつなぐ役割を担っている。

 在宅支援とはどういうものかを整理しつつ、当事業所の活動と利用者様の様子を共有する事を通して、当事者とSTの未来を考えてみたい。

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